体温には、手足など体の中心から離れ外環境の影響を受けやすい「皮膚温」と、脳や臓器など体の中心の機能を守るために一定に保たれる「深部体温」があります。
健康な状態では、深部体温は皮膚温よりも0.5~1℃ほど高く、37℃前後に保たれていますが、それは体内で生命維持や生存活動のための内臓の働きを、最も活発にさせる温度であるという理由からです。
熱中症とは、高温多湿な環境や活動などにより深部体温が上昇し、その熱をうまく外に逃がすことができずに生じる様々な症状の総称です。
熱中症の症状の中でも意識がもうろうとする、頭痛、吐き気、体のだるさといった症状がある場合は、深部体温の上昇により脳や消化器官、肝臓に影響が出ている可能性があります。
特に暑い環境での運動や作業をする際には、深部温度を下げ、上げないことが大切となります。熱中症を予防するためには、日ごろから適度な運動、適切な食事、十分な睡眠を心がけましょう。
深部体温と睡眠の関係
体温は24時間単位で変動し、1日の中では早朝が最も低く、次第に上って夕方が最も高くなり、夜になると再び下がり始めます。
夜は体を休ませるために体温が下がりますが、眠りにつく時には動静脈吻合のある手足から熱を逃し、深部体温を下げることで深い睡眠に入っていきます。深く眠ることが脳と体を休ませることにつながります。
夏の夜間、熱中症を防ぎながら良質な睡眠をとるための3つのポイントがあります。
1. 就寝の1~2時間前までにぬるめのお湯に浸かる。
暑い時期でもシャワーで済ませず、湯船にお湯を張って入浴し、入浴前後には十分な水分補給をしましょう。
2. 寝室を涼しくする。
適切に冷房機器を使用し、快適な睡眠環境を作りましょう。
3. 通気性の良い寝具、衣服を使う。
衣服は綿や麻などの通気性や吸収性の良い素材を選び、寝具も同様に通気性や吸収性に優れたものを選びましょう。
睡眠環境を整えることは、寝ている間の熱中症を防ぐと同時に、日々の十分な睡眠が翌日の熱中症の予防につながります。
しっかりと寝ることで身体を休め、厳しい環境にも負けない身体づくりをしましょう。
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